日本とロシア お互い もっと知ろうよ 日ロ創幸会

 日本人とロシア人は、その美的感覚に共通性があるためか、文学や音楽、芸術など文化の面で、心に響くものを見いだすことが少なくありません。両国の交流史を振り返ってみても、古くから、多くの人が強い親近感を抱いてきたという事実があります。
しかし、心情的にも、また地政学的にも最も近い国でありながら、両国の間には、イデオロギー、政治という大きな障壁が立ちふさがってきた不幸な歴史があります。その結果、一般市民どうしの交流や相互理解が進まなかったことも多くの人々が実感しているはずです。

第一のイデオロギー的な障壁は、前世紀末のソ連の崩壊、東西冷戦の終結によって、もはや過去のものとなりました。にもかかわらず、日本が新生ロシア連邦と触れ合う機会は、他の国々に比べ少なく、人的な交流もまだわずかにとどまっています。

第二の政治的な障壁は、領土問題に象徴されるように、いまなお両国の間に平和条約が存在しないという現実があります。

二つの問題に共通しているのは、これまで人的な交流がごく一部に限られ、相手の国、そこで暮らす人々のことをほとんど知らずに来たことに大きな要因があるということです。よくわからない、ゆえに理解できない、それが互いの不信感を増幅し、両国の人々をさらに離間させていくという負のスパイラルに陥っていたのではないでしょうか。

しかし、21世紀も第二の十年目に入ったいま、両国の指導者をはじめ、心ある人々の間に、両国関係の改善、相互理解の実現に向けた兆しが見えつつあります。特定非営利活動法人 日ロ創幸会の設立発起人(役員)一同、そうした変化を心から歓迎するものです。


発起人は、両国の関係改善、相互理解の推進には、一般市民、草の根レベルの交流が不可欠と考えます。発起人の複数は長年にわたり、ソ連・ロシアとの交流に携わってまいりました。これまでの経験を通し、日本人・ロシア人の双方が相手の文化にもっと多く触れることで、良きところを相互に認め合い、信頼に裏打ちされた絆が生まれていくことを確信しています。そして、互いに相手を知って、良きところを認め合い、信頼感を抱く市民が増えていくことが、日ロ両国の間に横たわる諸問題を乗り越えることにつながるとの信念に立つに至りました。


冒頭に示したように、日ロの文化は、その底流において近しく響き合っています。発起人の周辺には、文学、音楽、芸術等、ロシアの文化に触れたいと思っておられる方々が多くいらっしゃいます。また、発起人たちが接してきた多くのロシア人も、日本の文化に深い関心を寄せ、日本との交流を強く望んでおられます。


特定非営利活動法人 日ロ創幸会は、そうした方々に、また次代を担う青年たちに、ロシアの文化、歴史、自然等に直接触れていただく機会を提供するとともに、ロシアの方々に“日本の良さ”を知っていただく機会を提供したいと考えております。相互理解、相互交流をキーワードに、同じ人間として心を繋ぎ、結んでいく、そのお手伝いをしていきたいとの願いに立ち、特定非営利活動法人としての設立を期するものです。

2013年11月23日

特定非営利活動法人 日ロ創幸会 設立趣旨書
代表理事 江藤幸作

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